気象情報を防災に活用する

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予報の活用
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 気象庁が警報や注意報を出していることは、このページに来た人なら知っているでしょう。

 ですが、気象庁が「気象情報」という防災に役立つ情報を出していることをご存じですか。

 「気象情報」とは何か、どのように防災に役立てるかについて、解説します。

 「気象情報」は気象庁HPの防災情報→気象情報で見ることができます。

 なお、気象情報というと気象に関する情報全般を示す一般名詞ですが、この記事では気象庁が出している「気象情報」という名前の情報のことを指しています。

気象情報とはどんなものか

気象情報の実例

 まずは、実際に出された気象情報を見てみましょう。

 10年に一度の寒波が来るといわれた2023年1月24日3時の天気図です。

2023年1月24日の冬型が強まりつつある天気図
2023年1月24日3時の天気図(冬型が今後強まる)

 これから低気圧が日本の東で発達し、冬型気圧配置が強まりそうな天気図です。

 この状況に対応して同じ日の5時前に出された全般気象情報です。その気象情報が下図。

 読みにくいと思いますので、ここでは「こんな形のもの」というイメージがわかればOKです。

2023年1月24日5時前発表の全般気象情報
2023年1月24日5時前発表の全般気象情報

 ここには、5時現在の全国の天気予報の要約、気圧配置、今後注意すべき防災事項(この日は雪、風、波、雷など)が述べられています。

 テレビやラジオで台風や大雪の警戒情報を説明するベースの情報となっているのです。

 時々、災害が予想されるときに、気象庁が記者会見をしますが、その内容も、ここに書かれている情報をベースに、図表を加えて説明しているのです。

気象情報の役割

 気象庁は、気象情報を以下のようなものだと説明しています。

 警報や注意報に先立って注意を呼びかけたり、警報や注意報の内容を補足するために発表します。また、少雨や長雨などに関する情報も、気象情報として発表しています。(気象庁HPより)

 ここで重要なのは、「警報や注意報に先立って注意を呼びかける」という部分です。

 10年に一度の寒波といわれたこのときは、1月20日からほぼ24時間おきに、23日からは12時間おきに発表されています。

 気象庁はこうすることで、少しでも早く防災対策に着手するよう、促しているのです。

気象情報の種類

 気象情報には、3つの種類があります。

 1つめは、全国的な気象災害が予想されるときに発表されるのが、「全般気象情報」です。

 2つめは、東北や近畿など、複数県にまたがる場合に出されるのが「地方気象情報」です。

 地方とは、北海道、東北、関東甲信、東海、北陸、近畿、中国、四国、九州北部、九州南部・奄美、沖縄の11で、山口県は九州北部に含まれます。

 そして3つめが、府県単位で出される「府県気象情報」です。

 基本的に府県単位で出されますが、北海道と離島のある鹿児島、沖縄ではいくつかの地域に区分して出されます。

 府県気象情報が一番細かく、詳しく書かれているので、防災で利用するときはこれを使うのがいいでしょう。

 しかし、府県レベルの情報は発表されているかどうかわからないことが多いので、全般気象情報や地方気象情報がでれば、気象庁HPで確認してみることが必要です。

気象情報が発表されてから災害に至るまで

気象情報と警報発表の経過

 さて、先に示した2023年1月24日の全般気象情報のその後の経過を見てみましょう。

 この気象情報がでたのが24日の5時少し前。 

 しかし、24日5時の時点で、警報が出ていたのは愛媛県のみ。

 5時以降、九州を中心に一斉に暴風雪、波浪の警報が発表されました。

 この後、西日本では夕方から夜にかけて風雪が強まり、多くの県で大雪や暴風雪の警報が発表されました。

 この日の14時30分のひまわりの可視画像では、JPCZが発生し、西日本の大雪の状況がはっきりしています。

JPCZなど強い冬型の特徴が見られる2023年1月24日のひまわりの可視画像
2023年1月24日のひまわり可視画像(JPCZなど強い冬型の特徴が見られる)

気象情報と災害の発生

 この日は、実際にも、以下のような大雪となりました。

   ○京都市内では17時からの1時間に7cmの積雪

   ○岡山県津山市、美作市などで顕著な大雪に関する情報が発表

 さらに、この雪の影響で以下のような被害も発生しました。 

   ○京都府内でJR西日本の複数の通勤電車が数時間にわたり立ち往生

   ○新名神高速をはじめ、西日本各地の道路で渋滞、立ち往生が発生

 この災害をもたらした西高東低型気圧配置についての解説はこちら

気象情報を防災に生かす

まず気象情報の発表を知ることから

 では、気象情報が発表されたことをどのように知ればいいでしょうか。

 一番わかりやすいのは、TVの全国ニュースで、通常の天気予報以外の項目として、大雨、暴風、大雪などが特出しで報道されたときです。

 特にNHKはわかりやすく、全般気象情報が出ればトップに近い扱いで取り上げてくれます。

 また、全般気象情報については、気象庁のTwitter(気象庁防災情報)でも発表直後に流されます。

 しかし、地方気象情報以下については、ローカルニュースで取り上げてくれないこともありますし、気象庁のTwitterでも流れません。

 私は1日朝夕最低2回は気象情報を見るようにしていますが、今読んでいる方はそうはいかないでしょう。

 気象情報は、通常朝夕の天気予報が発表される5時と17時の前後に発表されますので、その後で見ておけば見逃しがありません。

 夜のTVの天気予報の週間天気で、少し気になるなと思ったら、是非直接気象庁HPの気象情報を見てほしいと思います。

 「気象情報」は気象庁HPの防災情報→気象情報で見ることができます。

気象情報を防災に生かすには

 もう一度、気象庁の気象情報の説明に戻ってみましょう。

 警報や注意報に先立って注意を呼びかけたり、警報や注意報の内容を補足するために発表します。また、少雨や長雨などに関する情報も、気象情報として発表しています。(気象庁HPより)

 気象情報は、警報・注意報に先立って出されたり、内容を補足するために出されるものです。

 気象情報を知っておくことで、次のような防災上のメリットがあります。

  ○災害の規模や、どのような事象がどのような規模で起こるか予測できる

  ○早くから来たるべき災害に備えることができる

 ただ、台風の早い時期の予測のように、大きく内容が変わることがあるので、まめにチェックしておくことが大切です。

 気象情報を知らずにいきなり警報を知ったのでは、防災の対応が遅れてしまいます。

 気象情報をうまく活用して、早めの対応で災害から農地を、施設を、財産を守ってください。

   早めの防災対応に生かせる農園タイムラインもごらんください。

 最後まで読んでいただきありがとうございました。

   

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